タウリン - Taurine -


タウリンは生活習慣病予備軍の救世主!?

今、日本人の5人のうち4人は「生活習慣病予備軍」といわれています。
その生活習慣病と密接に関わるからだの反応の様々な場面でタウリンは働いています。
まずは、タウリンが担っている働きを順にみていきましょう。


1)タウリンは、細胞内カルシウムに関与

■細胞内カルシウム過多に伴うさまざまな症状

生活習慣病の原因として「細胞内カルシウム過多」という問題があります。

本来は、細胞内液にはカリウムとマグネシウムが多く、
細胞外液にはナトリウムが多い。
カルシウムは、もっぱら骨細胞に集中している。

ところが、細胞内カルシウムが多いと動脈硬化をはじめ様々な不具合が起こってきます。

骨格系 骨折、骨粗しょう症、腰痛など
筋肉系 便秘、運動失調、筋肉のけいれん、肉離れ、視力低下など
神経系 めまい、てんかん、多動症、自閉症、うつ、不眠症、学習能力減退、月経前症候群(PMS)など
免疫系 風邪、アレルギー、ガン、リュウマチなど自己免疫疾患(免疫反応異常)など
循環器系 突然死、心筋梗塞、脳卒中、高血圧など
内分泌系 糖尿病、低血糖症、はげ、前立腺肥大、子宮内膜症、生理痛、生理不順など

*細胞内カルシウム過多と不整脈

心臓の筋肉を規則正しく収縮させる刺激電卓系の神経細胞も、カルシウムという招かざる客のターゲットになりやすい部分である。 ここに長期にわたって余分のカルシウムが送り込まれると信金の収縮が不規則になり、不整脈を起こす。これがひどくなれば、当然、心臓の停止という事態に至る。

*細胞内カルシウム過多と神経反応

カルシウムが足しの神経細胞に進入すれば、筋肉を思うように動かせなくなり、手足の感覚の鈍化、しびれなどが生じる。刺激が神経細胞を伝わる速度が遅くなるために、神経反応が鈍くなるからである。

*骨の病気の人のレントゲン写真

骨の病気の人のレントゲン写真を調べてみると、大動脈をはじめとする”骨以外の器官”が異常にくっきりと写っていることがある。本来、濃く写るべき骨の陰が、カルシウム不足のために薄くなっているにもかかわらず、ぼんやりとしか見えないはずの血管や臓器の輪郭がはっきりと浮かび上がるのである。
これは、骨から溶け出したカルシウムが大動脈の細胞や細胞がイノシトール結合組織に沈着し、X線を吸収しているからである。レントゲンにはっきり写るくらいであるから、いかに大量のカルシウムがそこにあるかがわかるだろう。

*細胞内カルシウム過多と思考能力

さらに細胞内にもカルシウムは取り込まれる。
この場合は、物覚えが悪くなることから始まって、カルシウム沈着の度合いによっては思考能力の低下とか自分の感情を抑えられない、いわゆるボケに見られる諸症状に発展する可能性が大きい。

 ・・・『カルシウムは体にわるい』近藤賢著より

タウリンが、予防・治癒にはたらく!

●カルシウム調整

【細胞内カルシウムがポイント】

細胞内のカルシウム過多 ⇒ ミネラルバランスの崩壊
⇒ 細胞の代謝異常
⇒ あらゆる病気の原因となる。

★ カルシウムは、ホルモンに指令を与えるメッセンジャー

カルシウムは、「特異なもの」として、細胞の中にはいってきて、はじめてメッセンジャーとなり
ホルモンに働くように伝える。

細胞内に常に余計なカルシウムイオンが常駐していては、あらたに微量のカルシウムイオンが入ってきても
その伝令役としての特権を全く発揮できないことになる。
=ホルモンに指令を伝えられない。。。。

メッセンジャー機能の低下 ⇒ 免疫異常 ⇒ あらゆる病気の原因になる。

●カルシウム モジュレーション(調整作用)

細胞内カルシウムの量は非常に微妙で、多すぎると死に、少なすぎると活動できない。

★タウリンは、外のカルシウムが細胞内に入りすぎるのを抑制し、入らないのを促進する。
=カルシウム モジュレーション

  本来、細胞内に多くあるべきミネラルは、マグネシウム&カリウム。
  本来、細胞外に多く有るべきミネラルは、カルシウム&ナトリウム。


この、カルシウムとマグネシウムのバランスが崩れると 免疫の異常反応が起こる。
・・・・細胞の石灰化、動脈硬化などの血管障害がはじまる・・・・。

★タウリンは、重要な働きを持つ
細胞内のカルシウムとマグネシウムのバランスを調整する!





● 「免疫強化」にもカルシウムモジュレーションが関与

タウリンは、免疫抗体の産生を促進する。
免疫細胞の機能修復作用(好中球、マクロファージ、リンパ球)
貧食能力、殺菌能力を強化。(リンパ球中のタウリン濃度も高い。)
白血球に結晶中の500倍高濃度に含まれている。
細菌感染時に尿中へのタウリン排泄が増加する。

2)タウリンと脂肪の分解・排泄

【腸肝循環活性化】

ヒト体内に存在するコレスレロールの約50%は胆汁酸に変換されて体外に排出される。

(Point)
確かにコレステロールから胆汁酸が作られるが、このままではほとんど分泌されない。

そこで、分泌し、利用されるために必要なのが 【タウリン】

(Point)
胆汁酸  + タウリン ⇒ 抱合胆汁酸 
抱合胆汁酸となってはじめて、腸と肝臓を胆汁酸がグルグル回りだす。


タウリンは、胆汁酸の腸肝循環を活性化する。

*胆汁(≒胆汁酸)とは?

肝臓で生成され、十二指腸に分泌される黄褐色の消化液。
胆嚢にいったん集められ、必要に応じて分泌される。
主成分は、胆汁酸・胆汁色素で入荷作用を持ち、脂肪酸の消化・吸収を容易にする。
胆液ともいう。

急性肝炎の黄疸を速やかに治したり、肝硬変、アルコールの二次障害を抑える働きがある。

*乳化とは?

水と油を混ぜ合わせること。
この場合、乳化により、脂肪酸の消化吸収を容易にする。

*腸肝循環をスムーズに

胆汁酸は腸で脂肪や脂溶性ビタミン、鉄、カルシウムの消化吸収を助けている。
胆汁酸の95%は再び肝臓に戻って有効利用される。
この腸肝循環がうまくすすまないと脂肪の消化吸収が悪くなり、胆石の原因にもなる。


【Pointのまとめ】

(1) タウリンは、胆汁酸の生成・分泌にかかわり、コレステロール排泄に必要である。
(2) タウリンは、胆汁酸の乳化作用により溶かした脂肪を肝臓で分解・排泄するために必要である。

タウリンとは

・タウリンは、タンパク質を構成しないアミノ酸(単独で体内に存在している)
・タウリンは、小腸で無制限に吸収され血液を介して全身の臓器に運ばれる。全身の細胞に作用する。
・タウリンは、水に溶けやすい。恒常性よ維持する作用がある。(ホメオスタシス)
・タウリンは、ヒトの体の体重の約0.1%がタウリンである。

・タウリンは、含硫アミノ酸酸。(分子構成に硫黄を含むアミノ酸)
 (含硫アミノ酸=タウリン、システイン、シスチン、メチオニン)
・ビタミンB6を介することにより、メチオニン、システインからタウリンは合成できる。

■タウリンの作用と研究

血圧効果作用 動脈硬化症や血栓症の予防作用 コレステロール低下作用
抗不整脈作用 骨格菌や心筋の過興奮抑制作用および収縮力調整作用
血管拡張作用 実験的心不全発症遅延作用 臨床的心不全の治療効果
心筋症における病態発症遅延作用 インスリン分泌促進作用 アルコール禁断症状抑制作用
肝臓機能買う副作用 肝臓の解毒作用強化によりアルコール障害を改善

天然タウリンと合成タウリン

●天然タウリン=牛の胆汁や魚介類の煮汁から抽出(食品添加物)

●合成タウリン=エチレンから化学合成

合成タウリンは生成過程で起こる反応中間物や触媒の残留と言う問題が絶対ないとは言い切れない。
日本薬局方では、98.5%をクリアーしていれば良いので、人によっては残りわずかな物質が生体反応を起こすことも考えられる。

医薬品(医薬部外品の栄養ドリンクも)として利用されているタウリンは「合成タウリン」である。
備考欄には副作用として 便秘、下痢、腹部不快感、覆うと、過敏症状などが上げられている。

一方、天然タウリンは、常食しても問題ないという基準にそって、食品添加物として許可されている。
化学反応を加えることなく抽出しているので残存物の心配もない。

タウリンという栄養素の特徴

* 全身の細胞にいきわたる
* 必要な細胞に優先的にいきわたる。
* 恒常性維持、つまり「調節作用」をもつ。
* 即効性がある。
* 体にとって生命維持に関わる重要な臓器ほど、より多くのタウリンを必要としている。
  (白血球には血漿中の500倍という高濃度で含まれる)
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